テレワーク営業に必要なツールとは!?チャット・グループウェア・CRM/SFAのおすすめ紹介

テレワーク,働き方

コロナ禍でテレワークが普及したことにより、営業活動もオンライン化しています。営業活動は、顧客とのコミュニケーションはもちろん、社内での営業会議、情報共有、顧客管理など「対面」で行われる業務が多い職種。しかし、テレワークで営業活動を行う上ではその全てをオンラインに移行する必要があります。

今回は、テレワークにおける営業活動で活用できるツールのご紹介。社内外のメンバーと気軽にコミュニケーションが取れるチャットツール、社内のスケジュールなど様々な情報共有に活用できるグループウェア、そして顧客管理などに特化したCRM/SFAツールについて、おすすめツールも含め詳しくご紹介します。最後には、それぞれの導入事例もご紹介。導入を検討されている方、必見です!

営業活動のテレワークで使えるツールとは!?

営業活動のテレワークですが、商談や社内の営業会議など、これまで対面が重視される業務の多かった仕事であるため、一部では「テレモート化は難しい」とも言われてきました。ただし、ITツールをうまく使えば、オンラインでもスムーズな業務の遂行が可能となります。

クラウド営業支援ツールを提供している株式会社マツリカの「営業活動のリモートワーク調査」を見てみると、「どのようなツールを利用しているか」という問いに対し、以下のような回答が得られました。

・Web会議…87.7%
・チャット…66.8%
・グループウェア…53.6%
・勤怠管理…47.9%
・CRM(顧客関係管理ツール)・SFA(営業支援ツール)…32.7%
・電子契約…11.4%
・クラウドIP電話…10.9%

今回はこの中でも特に営業活動に役立つ「Web会議」「チャット」「グループウェア」「CRM/SFA」について取り上げます。

【出典】営業活動のリモートワークに関する調査結果を発表。約8割が「生産性が上がったとはいえない」。ツール導入後は「オンライン商談や社内間の意思疎通」が課題に/PR TIMES

おすすめWeb会議システム

まずは、Web会議システムです。こちらについては、既に「オンライン商談に使える厳選ツール10選!」の記事でご紹介しております。ツールを選ぶ際の5つのポイントや、おすすめのツール10選、そして導入事例まで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

【関連】オンライン商談に使える厳選ツール10選!比較するための5つのポイントも!

おすすめチャットシステム

次に、おすすめのオンラインチャットシステムです。取引先との商談や、プロジェクトの進行管理に利用することができます。「メール」との大きな違いは、複数のメンバーとの迅速なコミュニケーションが可能という点。メールで複数の人物に同じ内容を共有しようとした場合、CCなどに一人ひとりメールアドレスを入力する必要があります。また、発信も一方通行になりがち。しかし、オンラインチャットシステムは、グループに属しているメンバーに、一斉に同じ内容をシェアできます。それについてのアクションも、スタンプや簡易的な文章で、手短に済ませることが可能。これまでオフィスで行われていたような、気軽なやりとりをオンライン上で実現することができます。
チャットシステムは、主にチャット形式のコミュニケーション、メールとの連携、ビデオ通話・音声通話、ファイル送信、メッセージの検索などの機能を搭載しています。

※記載内容は、2021年10月時点の情報です。

Chatwork

【ポイント】
◎日本製の中小企業向けビジネスチャット
◎国内利用者数No.1で、33万社以上が導入
◎コミュニケーションを取りながらタスク管理も可能

【料金】
◎フリープラン…無料
◎ビジネスプラン…500円/月
◎エンタープライズプラン…800円/月
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
日本で開発され、国内で圧倒的なシェアを誇るビジネスチャットです。無料でも利用することができ、チャット・ビデオ&音声通話、ファイル管理などの基本的な機能はもちろん、タスク管理機能もあります。
非常にシンプルで簡単な操作性により、誰でも利用できる点が魅力。そのため、業務でITに触れる機会の少ない介護業界、製造業界など「現場」でも活用されています。社内だけでなく、社外のメンバーも簡単にアサインすることができます。また、官公庁でも導入可能なレベルのセキュリティで安心して利用できます。

【URL】
https://go.chatwork.com/ja/

slack

【ポイント】
◎米国で開発された、世界シェアNo.1のビジネスチャット
◎チーム別、プロジェクト別など様々なチャンネルの設定が可能
◎比較的、ITツールに慣れた組織に向いていると言われる

【料金】
◎フリープラン…無料
◎プロプラン…850円/月
◎ビジネスプラン…1,600円/月
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
米国で開発されたコミュニケーションツール。日本でも、アクティブユーザーが100万人を超えると言われています。一つの組織の中でも「プロジェクト」「チーム」など個別にチャンネルを作成することができ、参加するメンバーも管理できます。リマインダー機能も有しており、スケジュール管理も容易です。
Slackでは、普段使い慣れた絵文字の利用や、自分で自由にスタンプを作成することも可能。「コミュニケーション自体が楽しくなる」というユーザーも多いようです。また、300種類以上の外部サービスとの連携が可能で、メールやSNSの通知をslackで受け取ることもできます。

【URL】
https://slack.com/intl/ja-jp/features

LINE WORKS

【ポイント】
◎多くの人が利用する「LINE」のビジネス版
◎導入企業が25万社を突破
◎日経コンピュータ顧客満足度調査 2021-2022グループウエア/ビジネスチャット部門1位

【料金】
◎フリープラン…無料
◎ライト…300円/月
◎ベーシック…500円/月
◎プレミアム…1,000円/月
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
今や生活インフラとも言われている「LINE」。そのビジネス版が「LINE WORKS」です。普段使い慣れているツールということで、誰でもすぐに利用を開始することができます。そのため「現場」での作業が必要な業種にも幅広く活用されています。例えば、介護、鉄道会社、運送業、建設業、病院などその業種は多岐にわたります。馴染みのあるLINEスタンプも利用できるので、気軽なコミュニケーションが可能に。他にも、掲示板やカレンダー、ファイルの保存、アンケートなど、多くの機能を有しています。また、国際認証を取得したセキュリティで、企業の重要な情報を保護してくれます。

【URL】
https://line.worksmobile.com/jp/

おすすめグループウェア

テレワークで営業活動を実施する際、社内での情報共有やスケジュール管理、資料共有などが必要になってきます。それをオンライン上で実現できるのがグループウェア。グループウェアは、社内SNS、掲示板、Web会議やチャット、ファイル共有、アドレス帳、タスク管理、スケジュール管理などなど…多彩な機能を搭載しています。自社の目的に合わせた、最適なツールを選びましょう。

※記載内容は、2021年10月時点の情報です。

サイボウズOffice

【ポイント】
◎7万社が導入する、中小企業向けのグループウェア
◎「使い勝手」を重視しているため、誰でも容易に活用できる仕様
◎スマホでも確認できるので、どこにいても組織の情報が共有できる

【料金】
◎スタンダードコース…490円/月(年額5,880円)
◎プレミアムコース…784円/月(年額9,405円)
※5ユーザーから契約可能 ※初期費用0円
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
「誰でも簡単に使える」をコンセプトとしたグループウェア。スケジュール、掲示板、ファイル管理、TODOリスト、タイムカードなど、組織で共有したいあらゆる情報を一元管理できます。また、ログインすると最初に表示される「トップページ」は個人でのカスタムが可能で、いま自分に必要な情報が一目でわかります。さらに、稟議書・交通費や休暇の申請など、さまざまな決済も電子化が可能。サイボウズOfficeのフォーマットに入力するだけで、不在の社員に電話があったことを素早く知らせる機能もあり、きめ細かな機能で日々の情報共有を助けてくれます。

【URL】
https://office.cybozu.co.jp

Microsoft365

【ポイント】
◎Microsoft提供で、WordやExcelなどのソフトも利用できる
◎Web版、モバイル版双方でOfficeのアプリが使用可能
◎1TBのOneDriveクラウドストレージが利用でき、ファイルを共有・保存できる

【料金】
一般企業向け
◎Business Basic…540円/月
◎Business Standard…1,360円/月
◎Business Premium…2,180円/月
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
数年前まで、主に物理的なソフトで販売されデスクトップアプリとして利用されることの多かったMicrosoft Office。多くのビジネスパーソンが日常的に使っている、Word、Excel、PPTなどのソフトです。それを、常に最新版で、サブスクリプションとして利用できるのがMicrosoft365。
さらに、ビジネスチャットができる「Teams」、ファイル管理の「OneDrive」など様々な機能を利用することも可能。ファイルストレージ「OneDrive」も1TBの容量を利用できます。ほかにも、50GBのメールボックスや、カスタムドメイン、予定表の管理など多くの機能が揃っています。

【URL】
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365

Google Workspace

【ポイント】
◎Googleが提供するグループウェア
◎プライベートでも利用しているGmailやGoogleDriveを利用できる
◎プランによって、メールとファイルストレージの容量が無制限に

【料金】
◎Business Starter…680円/月
◎Business Standard…1,360円/月
◎Business Plus…2,040円/月
※料金は1ユーザーあたり

【詳細】
Googleの提供するサービスには無料で利用できるものもありますが、GoogleWorkspaceを契約すれば、ドライブ容量は通常の倍量である30GBになり、メールアドレスも独自ドメインが利用できます。メール自体のセキュリティ面も強化されます。
また、WordやExcelと同じ要領で使える文書作成ツール、表計算ツールも搭載。そのほか、チャット、カレンダー、アンケート作成などのツールも。「Google Meet」を使えば、最大で250名(プランによる)までのミーティングを実施することもできます。24時間365日、14ヶ国に対応できる問い合わせ窓口もあるため、安心して利用することが可能です。

【URL】
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/

おすすめCRM(顧客管理)/SFA(営業支援ツール)

そもそもCRMとは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略。そして、SFAとは「Sales Force Automation(営業支援システム)」の略です。しばしば混同して使用される言葉でもありますがCRMは顧客情報、スケジュールや日報、タスク管理、見積書や請求書作成など営業活動を効率化することを目的としたシステムです。
一方でSFAは顧客の対応履歴の記録や、商談の状況も共有可能。見込み客へのダイレクトメールや、お客様アンケート、満足度調査などの機能を搭載しているものもあります。それでは、おすすめのツールを見ていきましょう。

※記載内容は、2021年10月時点の情報です。

Sales Force/CRM

【ポイント】
◎世界でNo.1を誇るCRM
◎高度なAI「アインシュタイン」を使った分析機能を搭載
◎分かりやすく設計されたデザインと、スピーディーなサポート体制も魅力

【料金】
◎Essentials…3,000円/月
◎Professional…9,000円/月
◎Enterprise…18,000円/月
◎Unlimited…36,000円/月
※料金は1ユーザーあたり/年間契約

【詳細】
Salesforceの機能のうち、こちらでは特に営業管理についての機能をご紹介します。一つは、顧客管理。取引履歴、連絡先、顧客に関する社内での議論についてなど、様々な情報を一元管理できます。また、案件ごとの商談管理も可能。案件の進捗、競合、提出した見積もりなどをまとめて把握できます。
他にも、例えばWeb広告を掲出している場合、その広告をクリックした段階から成約までのプロセスを追跡。その定量的な情報を、マーケティングに活かすこともできます。ファイル共有とそれについてのコメント、経費精算の承認など、営業に関するあらゆるステップも、一つのツールで管理することができ、生産性の向上に繋がります。

【URL】
https://www.salesforce.com/jp/

eセールスマネジャー Remix/SFA

【ポイント】
◎国産のSFAで、5,500社以上の導入実績
◎4年連続CRM/SFA総合満足度No.1
◎簡単な操作方法で、利用継続率も95%を誇る

【料金】
◎スケジュールシェア(グループウェアのみ)…3,000円/月
◎ナレッジシェア(閲覧のみ)…6,000円/月
◎スタンダード…11,000円/月
※料金は1ユーザーあたり

【詳細】
国産のSFAで、満足度の高いと言われるSFAです。シングルインプット・マルチアウトプットで、一度活動報告を入力すれば、顧客情報や案件情報などに自動反映されます。また、導入時に導入企業の営業プロセスの標準化も実施するため、これまでの課題を洗い出すことができます。
ツールを導入して最も懸念されるのが、組織への浸透です。Remixでは、顧客アドバイザーの任用など、ツールの定着や活用についてサポートします。そのため、95p%という高い継続率を誇っているのです。

【URL】
https://www.e-sales.jp

導入事例紹介

最後に、それぞれツールを実際に導入している企業の事例をご紹介します。

チャットシステム

情報コミュニケーション大手 大日本印刷株式会社では、ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」の運営に関する200 名近いメンバーでのコミュニケーションにChatworkを利用しています。それまでは、メールでのやりとりや他のツールを利用していましたが、レスポンスの遅さ、機能の制限などの課題があり、ツールを切り替えることに。特にセキュリティ面を重視すると「Chatoworkしかなかった」と言います。

Chatworkを利用し始めてから、フランクな会話ができるようになり会話の速度がアップしたと同時に、メールと比較して細かいディスカッションができるようになっています。また、海外拠点とのチャットでは、翻訳者もグループにアサインし、現地の言葉に翻訳して伝えています。遠隔地とのコミュニケーションには、特に重宝するツールになっているようです。

【参考】セキュリティを重視すると選択肢はチャットワークだけでした(大日本印刷)/Chatwork

グループウェア

山口県を中心に、信号機などの電気工事の設計から施工を請け負う入交電設株式会社。地方の中小企業です。長年の歴史から、非効率で属人化してしまっている仕事の進め方に疑問を持った取締役の女性は、その課題を解決するためにサイボウズOfficeを導入します。その決め手は「どのツールよりも触りやすいインターフェース」だったそう。10代から80代のメンバーが所属し、ITリテラシーも低い環境で、「とっつきやすい」という点が一番のポイントだったようです。
そして、社員から声を吸い上げられる体制を整え、「作業日報」の機能から活用をスタート。結果、手作業で記入していた日報が、スマホから簡単に入力できるようになり、勤務時間の確認も容易に。成功体験を得た社員は、自主的に「こんな機能を使ってみたい!」と声をあげるようになりました。その後も、電子申請などを導入し、変化に対してポジティブなマインドが育ちました。現在では、「誰もが活躍できるやまぐちの企業」にも認定され、社員とのエンゲージメントの向上にも役立っています。

【参考】大切な社員が働きやすく、誇れる会社に サイボウズOffice導入をきっかけに会社に変化を起こした後継経営者/入交電設株式会社サイボウズOffice

CRM/SFA

大正7年創業の老舗旅館、元湯陣屋。同館では、長年手書きの予約台帳を利用し、顧客情報も紙やホワイトボードで管理していました。そのため、急な変更に対応できないことや、情報漏洩などの課題を抱えていました。その後Excelでの管理を導入するもネット予約とのタイムラグもあり、うまく活用できていませんでした。

事業承継した宮﨑氏は、新システムの導入を検討。その中で、「世界的な実績」「複数のプライバシー/キュリティ認証を受けている」というポイントでSalesforceを導入。予約台帳管理、会計管理、そして予約サイトとの連携など次々にクラウド化していきました。
全従業員にリアルタイムに情報が共有されることで業務の効率化に繋がり、さまざまなフローが見える化されたことで、マネジメント層の現状把握にも役立っています。

【参考】ソーシャルメディアを活用した新手法の導入によって現場情報の可視化と、多彩で質の高い顧客サービスがよりきめ細かく展開できるようになりました(陣屋)/Sales Force

営業活動のテレワークにおける課題を把握し、目的に沿ってツールを選ぶ

いかがでしたでしょうか?テレワークで営業活動を効率よく実施するためには、目的に沿ったさまざまなツールの活用が有効です。「テレワークでも、直接会話するようなスピード感でコミュニケーションを取りたい」「社内メンバーの連携が取れていない」「テレワークになってから、顧客管理がしづらくなった」など、まずは現状自社がどんな課題を抱えているのかを把握しましょう。その上で、金額、セキュリティ、機能、サポートなどあらゆる面で自社が最も重視するポイントを洗い出し、そのポイントと検討しているツールのスペックを比較しましょう。そうすれば、自ずと自社にマッチするツールが見つかるはずです。

この記事を書いたひと

三神早耶(みかみさや)

大学卒業後、広告代理店に入社。企画営業と制作進行管理を兼務。その後、出版社でコンサルティング営業、国立大学でeラーニングツールの運営や広報サポートなどを担当し、2016年よりフリーライターに。経営者向けウェブメディア等で、経営者インタビュー、組織改革、DXなどについて取材・執筆。