テレワークの普及で注目!【電話代行サービス】とは!?おすすめ5選を導入事例までご紹介

テレワーク,働き方

DX化やコロナ禍の影響でテレワークの導入が増えるなか、会社にかかってくる代表電話の対応に課題を感じる企業は少なくありません。「事務や総務の社員が出社する」「交代制で誰かが出社する」など、一部の人に負荷がかかるスタイルをとっている企業もあります。そんななかで、代表電話の取り次ぎを行い、チャットやメールなどで知らせてくれるのが「電話代行サービス」です。今回は、このサービスの詳細やメリット・デメリット、そしておすすめのサービスのポイント、料金、詳細や導入事例まで、詳しくご紹介します。

テレワークで「電話対応業務に課題」が26.8%

テレワークが急速に普及するなか、企業の大きな悩みとなっているのが「電話対応」。現代は個人の携帯電話のやりとりが多いものの、やはり代表電話へのアクセスがゼロになっている訳ではありません。

株式会社グラントンの「テレワークにおける電話対応業務の実態と課題に関するアンケート調査(2021年)」(調査人数332名)を見てみましょう。同調査で「テレワークで課題を感じている業務や項目はありますか」という質問に対し、実務系の業務については以下のような結果が得られました。

<実務系業務>

◎電話対応業務…26.8%

◎契約関連業務…24.7%

◎請求・支払い業務…24.4%

◎採用関連業務…15.4%

◎給与計算…11.1%

やはり、実務では電話対応に課題を感じている企業が多いようです。その上で、「あなたの会社では固定電話の電話対応はどのように行っていますか?」という質問については「出社している従業員が対応」が55.1%と半数以上を占めました。

固定電話の対応については、多くの企業で「電話対応のために交代で出社」「特定の従業員に負担」「スムーズに電話の取り次ぎができず、クレームに繋がった」などの課題やトラブルなどが発生しているようです。

私も、企業取材でテレワークについてお聞きする機会がありますが、「総務だけ、電話番で出社」「若手が交代制で出社」という対応が多い印象です。例えその企業がフレックス制度を導入していても、電話対応は会社の営業時間内ならいつでも発生するため、決まった時間に出社する必要があります。かつ、新型コロナウイルスの感染が拡大している時期などは、出勤時の感染リスクも高まります。ほとんどの社員がテレワークで働きやすくなっている一方で、一部の人に負担やリスクが集中してしまっているな…と感じました。

【出典】テレワークにおける電話対応業務の実態と課題に関するアンケート調査/株式会社グラントン

電話代行サービスとは

そのような環境で、いま注目されているのが電話代行サービスです。

これは、その名の通り「固定電話の対応を代行するサービス」のこと。対応するのはコールセンターなどに所属するプロのオペレーターで、安心して任せることができます。サービスによって、一次対応のみ、営業的な対応可、クレーム対応可など、対応範囲はさまざまです。

それでは、簡単に導入のメリット・デメリットについて見てみましょう。

導入メリット

◎出社しなくとも電話の取り次ぎが可能

◎営業電話など、事前に対応するか否かを判断できる

◎コア業務に集中できる

言わずもがな、出社することなく電話対応が可能です。そのため、特定の社員に負荷がかかったり、誰かを出社させたり、という対応も必要ありません。また、コア業務に集中している際に問い合わせの電話がかかってきて、そちらに時間を取られてしまう…ということも無くなります。一次対応した電話については、発信者と内容を知らせてもらえるため、対応するかどうかを事前に判断することも可能。特に、営業や問い合わせなどの受電が多い企業などでは、大きな業務効率化に繋がるでしょう。

導入デメリット

◎利用コストがかかる

◎自社の従業員のようには対応できない

◎情報セキュリティ面での注意が必要

当然、導入コストの問題があります。また、オペレーターは自社の社員ではないため、商品についての正確な情報提供や、臨機応変な対応が必ずしも実現する訳ではありません。そのため、機会損失に繋がる可能性もゼロではありません。また、電話のやりとりの中には、機密情報が含まれる場合もあります。漏洩することのないよう、しっかりとリスク管理について検討しておく必要があるでしょう。

電話代行サービス5選〜導入事例も〜

それでは、実際の電話代行サービスについて、サービスの詳細や料金、さらには導入事例まで詳しくご紹介します。

fondesk/株式会社うるる

【ポイント】

◎導入企業数No.1(利用社数3,300社以上)のサービス
◎SlackやChatwork、メールなどで知らせてくれる
◎5分程度のオンライン手続きで、すぐに利用開始できる

【詳細】

導入企業数No.1の、シンプルで使いやすいサービス。電話の一次対応をオペレーターが代行し、その内容をチャットやメールで知らせてくれます。そのほかにも、対応時間外には読み上げメッセージを指定できたり、着信拒否したい番号を10,000件まで登録できたりと、電話応対に必要な多彩な機能が揃っています。また、発信者番号を取得しているので、連絡先を教えてもらえない場合でも、正確な情報をもとに折り返すことができます。同社はChatworkとも連携し「Chatwork電話代行」サービスも提供している企業です。

対応時間は、9時から19時の間であれば自由に設定可能。逆に、夜間・休日やクレーム対応、相手による対応の変更などはできないため注意が必要です。

【価格】

基本料金…10,000円(月額)
従量料金…1〜50件0円(件)/51件目以降200円(件)

【事例】

株式会社ショーケース

fondeskで1ヶ月に500件の電話取次を依頼している株式会社ショーケースでは、かつて電話対応を担当する総務部において問い合わせ対応に多くの工数を割いていました。コロナ禍でテレワークへの移行が急務になったこともあり、fondeskに移行。それからは、一次対応された電話の内容を見て「かけ直すべきか」が判断可能となり、時間の使い方が効率的になっています。同社ではコミュニケーションツールとしてSlackが定着しており、それと連携できることが大きな決め手になりました。現在はfondeskが「社内インフラ」となっています。

【URL】
https://www.fondesk.jp

電話代行/株式会社マイナビBX

【ポイント】

◎Pマーク認証も取得した、安心の電話秘書
◎事業所までの道案内、予約の受付など事務的な役割も可能
◎人材大手マイナビが運営し、経営者5,000人に選ばれたサービス

【詳細】

マイナビが運営する電話代行サービス。電話の一次対応をし、要件をすぐにメールで連絡してくれます。1日の最後には、業務報告も実施。営業などでオフィスを不在にしがち、電話対応する事務職の社員がいないなどの場合でも、その業務を代行し大切な「ビジネスチャンス」を守ります。このサービスは「電話秘書」という位置付けで、例えばクリニックの場合、道案内や予約の受付・変更までを任せられ、臨機応変な対応が可能です。

対応時間は、9時から18時。基本的に平日のみですが、プランによっては土日祝日の対応も可能です。

【価格】

初期登録料…10,000円(月額)
基本料金…3,000円(月額)/10コール〜
※コール数、対応曜日に応じた6種類のプランあり

【事例】

不動産管理会社

マイナビBXを導入した不動産管理会社では、以前は土日祝日に電話問い合わせが多くあり、社員が交代で出勤していました。人数も少ないため、電話対応が重なるとお客様を待たせてしまい、人件費もかかるなど多くの課題がありました。導入してからは、物件情報、空室状況などもオペレーターがしっかり回答。社内で対応するのは、条件交渉以降のフェーズとなっており、効率化が実現できています。また、物件資料のFAXやメール返信なども対応可能なため、人件費などの経費削減にもつながっています。

【URL】
https://www.attacks.co.jp/service/call/call_Introduction.html

CUBE電話代行サービス/株式会社大阪エル・シー・センター

【ポイント】

◎創業22年、導入実績6,000社以上
◎導入後の継続率は99.2%
◎1,020時間以上研修を受け技術を身につけたスタッフが対応

【詳細】

電話の一次対応だけでなく、例えば「サービスについて詳しく教えてください」という問い合わせの場合には、その場でサービス担当者の電話に取り次ぎ、転送することもできます。担当者が不在、対応不可の場合には、メールでその内容について知らせてくれます。英語プランもあり、ネイティブのスキルチェックを受けたスタッフが対応。英語を話せる社員がいない場合でも、海外からの問い合わせを見逃しません。

対応時間は、平日9時から18時。オプションで土曜日の対応も可能です。

【価格】

保証金…5,000円(解約時返金)
基本料金…10,000円(月額)/50コール(月)〜
※3種類のプランあり(英語対応も可能)

【事例】

人材派遣会社

社員数4名の人材派遣会社では、事務員を採用しておらず、代表電話はすべて社長の携帯に転送されていました。月間150本以上の電話を各営業社員へ振り分けねばならず、それが大きな業務負担になっていました。CUBEを導入してからは、一次対応の上、それぞれの担当者に連絡してもらえるため、業務効率がアップ。また、顧客からも「担当者とすぐに電話が繋がるようになり、仕事が依頼しやすくなった」との声が挙がっています。

【URL】
https://www.cube108.jp

電話代行サービス e秘書/株式会社ベルシステム24

【ポイント】

◎コールセンター・電話代行実績35年以上、契約社数延べ約24,000社
◎大手企業のコールセンターを構築・運用してきた高い品質を保持
◎利用したことのある電話代行サービスNo.1
(電話代行サービス利用経験者800名へのアンケート調査/楽天リサーチ)

【詳細】

電話受付し即時メールで伝える「スタンダードコース」、情報のヒアリングやQ&A対応、注文受付にも対応する「メッセージコース」があります。同社の強みは、全国にオペレーターが25,000人在籍していること。また、プライバシーマーク(ISO/IEC27001)も取得しており、安心して自社の情報を開示することができます。オプションで、日報の作成や、指定フォーマットによる予約受付・確定・日程変更などの対応もできます。

対応時間は、「平日のみ」「土曜日含む」「全日」などから選択。時間は9時から21時までの間で選ぶことができます。24時間対応のプランもあり、多言語対応も可能です。

【価格】

基本料金…10,000円(月額)/80コール(月)〜
※2種類のコースあり(他、24時間対応や多言語対応プランもあり)

【事例】

曽我部東子法律事務所

かつては、弁護士1名と事務員1名しかおらず、2人とも不在の場合には隣の会計事務所のスタッフに電話に出てもらっていました。しかし、法律の知識の無い人が内容を正確に把握することは難しく、また個人情報の問題もあり、電話対応に大きな課題を感じていました。そこで「e秘書」を導入。裁判所などからの電話では長い事件番号や、法律用語などが用いられ、対応が難しい側面もありますが、e秘書ではそれを正確に伝えてくれています。また、プライバシーマークを取得しているため、個人情報の漏洩などについてのリスクも低く、安心して利用できています。

【URL】
https://www.tas.bell24.co.jp

電話代行サービス株式会社

【ポイント】

◎24時間365日対応可能なサービス
◎電話代行業界初の「オーダーメイド型プラン」を実現
◎電話代行サービス内容満足度No.1
(経営者1,040名へのインターネット調査/ゼネラルリサーチ)

【詳細】

電話代行業社として30年以上培ってきた歴史ある企業です。業界初の「オーダーメイド型プラン」を利用することができ、電話代行を導入する目的に合わせ、業務内容や企業理念まで、徹底したヒアリングをもとに業務フローを設計します。また、同社にはオペレーターが「技術」「知識」「心構え」を高レベルで維持できるプログラムがあり、常にスキルアップしています。また、不動産、士業、水道修理、ネットショップなど特定の業種に限定したサービスも展開。専門的な知識を要する対応もアウトソーシングできます。

対応時間は、プランによって9時から21時まで、平日・土日祝日の対応も選べます。また、夜間休日対応などのプランもあり、24時間365日、安心して任せることができます。

【価格】

基本料金…25,000円(月額)/50コール(月)〜
※コールセンター代行の料金(他にも各種プランあり)

【事例】

ブランド買取事業

「買取価格の目安を知りたい」「こんな商品でも買い取れるか」など、多くの問い合わせがあるブランド買取業社。店舗での査定業務などをこなしながらの問い合わせ対応は、業務負担になっていました。そこで、業務効率化を目指してコールセンター代行を導入。お客様対応に時間がかけられるようになったこと、問い合わせへの返答が速くなったこともあり、リピーターや買取実績が増加しています。

【URL】
https://denwadaikou.jp

少子高齢化、テレワークの時代では「あたりまえ」のサービスに

いかがでしたか?私も電話代行サービスの存在は知っていましたが、あくまでも一次取り次ぎだけを行うものだと思っていました。顧客に対し「不在なので折り返します」と伝えることになるため、結果的に不快感を与えてしまうのではないか…という懸念もありました。しかし、サービスによっては顧客に商品情報を伝えたり、受付を行ったり、内線のようにそのまま繋いだり…と、臨機応変な対応が可能なことに驚きました。このようなサービスが利用できるのであれば、常駐の電話対応スタッフを置いておく必要も無く、また「本当に対応しなければならない電話」のみを選ぶこともできるため、コスト削減と業務効率化の両方が実現できると思いました。これからどんどん少子高齢化が進み、テレワークも広がるでしょう。時代とともに「当たり前」のサービスになってゆくのでは、と感じました。

この記事を書いたひと

三神早耶(みかみさや)

大学卒業後、広告代理店に入社。企画営業と制作進行管理を兼務。その後、出版社でコンサルティング営業、国立大学でeラーニングツールの運営や広報サポートなどを担当し、2016年よりフリーライターに。経営者向けウェブメディア等で、経営者インタビュー、組織改革、DXなどについて取材・執筆。