ペーパーレス会議とは?導入メリットや課題&具体的な事例・システムも紹介!

テレワーク,働き方

ペーパーレス会議とは何か、メリットやデメリットを知りたいなど、ペーパーレス会議の導入方法で、お悩みではありませんか。近年では、テレワークが普及し、会議文書や資料をデジタル化して準備し、会議をするケースが増えました。

この記事では、企業がペーパーレス会議を導入する場合の方法やメリットなどを解説していきます

テレワークの拡大で注目を集める「ペーパーレス会議」とは

近年では、テレワークの拡大により会社の会議室だけではなく自宅からでもクラウド上で開催されるオンライン会議に参加できるようになりました。オンライン・ペーパーレスで会議を行うために注目を集めているのがペーパーレス会議システムです。

ペーパーレス会議システムを導入すると、会議資料のプリントアウトもいらず、ペーパーレス会議をスムーズに行うことができます。

リモートでの開催も可能なペーパーレス会議

ペーパーレス会議とは、会議資料などに紙を使わず開催する会議のことです。従来では、会議の参加者に印刷後の紙の資料を配布して手元の資料を見ながら会議を進行していました。

ペーパーレス会議の場合は、パワーポイントなどの資料やスキャンされた電子データの資料をパソコンやタブレットなどで個別に見たり、会議室でプロジェクターに投影したりしながら会議を進めます。資料をデータで共有できるペーパーレス会議システムは、リモートでのWeb会議にも適した形式です。

資料を会議前に参加者の場所を気にせずデータで配布できるので、資料配布にかかる紙代や印刷代などのコスト削減効果、資料作成業務を簡略化できるといったメリットがあります。会議ではペーパーレス会議システムを使用すると資料をデータで共有でき、手元の電子資料への書き込みや画面の同期など便利な使い方ができます。

やり方は?ペーパーレス会議の導入方法

ペーパーレス会議を行うには、パソコンやタブレットなどの端末や会議参加者が使用する通信環境の整備、ペーパーレス会議システムなどツールの導入が必要です。ペーパーレス会議では、主に同じデータを全員が共有して閲覧できるツールが利用されます。

オフラインで行う会議では、資料を共有できるペーパーレス会議システムやクラウド上でデータを共有できるツールなどを導入するケースが一般的です。オンプレミス型の会議システムを導入する場合は社内で独自のシステムを構築する必要があるため、導入までに費用や時間がかかります。

オンラインの会議では、資料を共有でき音声やビデオ通信が可能なWeb会議システムを使用するやり方や、音声・ビデオ通信のためのWeb会議システムに加え、資料共有のできるペーパーレス会議システムを併用するケースがあります。クラウドツールは短期間で導入が可能ですが、オンプレミス環境よりはセキュリティ対策に注意が必要です。

ペーパーレス会議を導入する際には、会議に必要な機能を確認し、自社の目的に適したツールを導入することが大切です。機能が充実しているサービスでも、社員が使いづらいと混乱が生じる恐れがあるので、操作性にも注意して選ぶ必要があります。

自社に適したツールを選択したあとには、人数が少ない会議などで試験導入をしてから徐々に規模の大きな会議に利用する方法がおすすめです。会議の規模を拡大する予定がある場合には、システムがどの程度の会議にまで対応できるかを事前に確認しておきます。

働き方改革の一手にも!企業がペーパーレス会議を導入するメリット

近年では働き方改革により、業務効率化のためのさまざまな工夫を取り入れる企業が増加しています。ペーパーレス会議には、コスト削減やリモート開催に便利であること、資料作成等の業務削減、環境保護などさまざまなメリットがあります。ペーパーレス会議のメリットについて、詳しく説明していきます。

資料の印刷や保管、廃棄にかかるコストをまとめて削減できる

ペーパーレス会議の大きなメリットは、紙の資料を印刷するときにかかる紙代やインク代が不要になる点です。資料をデータ上で共有するシステムを利用するため、参加者はプリントアウトした紙の資料を受け取る必要がありません。

会議が多数開催される会社では、会議資料が増えることから保管場所を借りるケースもあります。資料の保管場所を借りている場合には賃貸料もかかるため、ペーパーレスへの切り替えで保管場所が不要になると、大幅なコスト削減を可能にします。

場所を問わないリモート開催が可能で、テレワークの推進につながる

電子データでの資料配布は、Web会議で離れた場所からの参加にも役立ちます。インターネットが利用できる環境であればどこからでも会議に参加できるので、各支店からでも会議場所まで移動不要で参加でき、もちろんテレワーク中の自宅からでも会議への参加が可能です。

従来では参加者が会議室に全員集まった状態で行われていた会議ですが、リモート開催によりどこからでも参加できるようになったため、テレワーク中にもリアルタイムで必要な打ち合わせを行うことができます。会議の様式が変わったことにより、テレワークの推進にもつながります。

会議のためにわざわざ支社や営業所などから従業員が集まる必要がなくなったため、会議にかかる交通費や出張費は削減可能です。会議で長距離の移動に時間を取られないことから従業員への負担も軽減されるなどのメリットもあります。

資料の準備や修正、検索にかかる作業負担が軽減できる

これまでの会議では、会議資料を事前に作成して参加人数分を印刷、それぞれまとめた資料を配布するなどの準備が必要でした。会議直前に変更が出た場合には変更箇所の差し替えを行うなど多くの作業があり、会議準備に従業員の時間が取られていました。

ペーパーレス会議の場合は、パワーポイントなどで作成された会議資料を画面で共有して閲覧できるため、資料をプリントアウトして配布する作業が不要になります。会議資料に訂正がある場合でも、データを一度修正するだけで解決できます。

紙の資料の場合は、会議資料を残すためにファイリングして保管しなければなりません。あとから会議について調べる際には、ファイルのページをめくって探すなどの手間もかかります。データで保存できるペーパーレス会議システムを使用すると、データの保存や検索も簡単に行えます。

紙資料と比較してセキュリティリスクが低くなる

会議資料が電子データの場合、紙媒ベースの資料よりも外部に情報が漏れにくくなります。資料のプリントは、持ち歩いて紛失してしまうケースや捨てたはずのものがどこからか外部に流出するケースなどがあります。

ペーパーレス会議で使用される電子データは、システム上で管理されているため閲覧できる人はアクセス制限で限定され、閲覧可能期間が過ぎると見ることができません。会議資料として保存する期間もシステムで設定できるので、保存期間を過ぎたら資料を破棄することも可能です。

会議資料はログによる追跡もできるため資料を閲覧した人物の特定も可能で、重要書類を安全に管理できるメリットがあります。

一方でデメリットも?ペーパーレス会議における課題点

ペーパーレス会議には業務の効率化が図れるなど多くのメリットがありますが、デメリットが生じる場合もあるので導入に失敗しないよう注意しなければなりません。これまでの紙ベースの資料とは大きく異なることから、システムの使用方法に慣れる必要もあります。

ディスプレイのサイズによっては資料の視認性が悪くなる

資料がプリントされている場合には手元の資料を問題なく見ることができますが、パソコンやタブレットなどのディスプレイ以上には資料を大きく表示できないため、ディスプレイが小さい場合には資料の視認性が悪い場合があります。

プリントはテーブル上に並べて置き複数ページを比較しながらでも確認できますが、ペーパーレス会議では資料を会議システム上でしか表示できないため見えにくいなどのデメリットがあります。ペーパーレス会議システムでも、デバイス上で資料のページを切り替えるだけでなく資料を並べて表示できます。

ただし資料を複数枚表示すると、画面の大きさによっては1枚1枚が小さく表示されて内容を確認できない場合があるので注意が必要です。並べて比較する必要があるデータだけはプリントを準備しておくなど、資料の視認性については事前に対策しておくことが大切です。

紙資料と比較してメモがとりづらい

会議資料をプリントで渡された場合には、自分の資料に会議中気がついた内容をプリントにそのまま書き込むことが可能です。ところがペーパーレス会議では、システムにもよりますが資料にメモを書き込めない場合があります。

システムが手書きメモに対応している場合には、電子データを閲覧している端末がタッチペンで書き込める端末でないとメモを取ることができません。システムや端末によって異なるので、手書きメモ機能を利用したい場合は機能面をよく確認してから選ぶのがおすすめです。

また会議の設定によって資料が会議中にのみ共有されたときには、メモした資料を自分の資料として保存できない場合もあります。

端末やツールの操作など、一定のITスキルが要求される

ペーパーレス会議では、参加者がパソコンやタブレット端末を使い、ペーパーレス会議システムなどのツールを操作して行います。複雑な操作ではありませんが、新しい機器やシステムの使い方を覚えるまでには時間がかかることもあります。

端末の操作などITが苦手な人の場合、会議中に必要な資料をなかなか開けないなどのトラブルが生じやすいため、ペーパーレス会議の利用方法を覚えるまでは大変かもしれません。誰でも会議システムが使えるように操作が簡単な機器やツールを選ぶことが大切です。

全従業員が利用方法を覚えるために実際の使い方を研修したりロールプレイングを行ったりするなどの工夫で、従業員が早めにシステムを習得できます。

導入したペーパーレス会議を失敗に終わらせないためのポイント

実際にペーパーレス会議を導入してからやっぱり上手く活用できないなどの問題を生じさせないためには、資料の視認性を高める工夫をするなどペーパーレス会議のデメリットを事前に把握して対策をとることが大切です。会議前に問題が生じないかチェックしておくと、予期せぬトラブルも予防できます。

端末上で見ることを前提とした資料づくりで、視認性を高める工夫をする

画面上で見る会議資料は、タブレットなど端末のディスプレイサイズによって表示サイズが小さくなる場合があります。資料が読み取れないなどのトラブルを避けるためには、紙の資料作成時よりも文字サイズを大きくしておくなどの工夫が必要です。

画数の多い文字を使う場合には字がつぶれないようにひらがなを使用し、あまり複雑ではなくシンプルなデザインにすると全体的に読みやすくなります。

ペーパーレスのデメリットを補うツールの選定

ペーパーレス会議システムには、ペーパーレス会議で生じやすいデメリットを補う機能が搭載されているものがあります。画面上の会議資料に手書きのメモが書き込める機能がついていると、紙の資料に近い感覚で抵抗なく利用できます。

会議資料のページを進める操作に慣れていない場合には、話し手と聞き手の端末画面を連動させる機能で、説明しているページをスムーズに開くことが可能です。会議中に個人の意見を確認する投票機能など、会議中に使用する機能が搭載されているシステムを選ぶと、ペーパーレス会議で有効に利用できます。

また、ペーパーレス会議をオンプレミス環境で行うかそれともクラウド上で行うか、普段使っているデバイスを活用できるかなど、使用環境やデバイスへの対応も重要な選定基準のひとつです。

資料が閲覧できるか、ツールが使えるかなど事前にテストしておく

ペーパーレス会議導入後初めて会議を行うときには、問題が起きないか確認するため事前にテストしておく必要があります。実際に使用するツールを使って、会議の開始から進行、終了まで、想定される手順で問題が起きないかひととおりチェックします。

もし発表者がペーパーレス会議の操作を覚えていない場合、資料を共有する段階から時間がかかってしまうかもしれません。発表者の操作や、発表者交代時の切り替え方など、実際の会議と同じ方法でテストを行い、トラブルの発生に備えます。

端末の操作が苦手な参加者がいる場合でも、会議の操作を一度経験しておくことで当日のペーパーレス会議に向けた練習ができます。

ペーパーレス会議で容量が大きい資料を使用する際には、大容量データのやり取りで通信が不安定にならないように会議前に参加者へダウンロードを依頼しておきます。発表者と参加者両方が、必要に応じて事前準備を行い、会議に備えることが大切です。

ペーパーレス会議が、業務の改善に大きな効果を発揮した企業の事例

ペーパーレス会議の導入・注意点への対応により、コスト削減や、わかりやすいペーパーレス会議の実現が可能です。実際に業務の改善を行った企業のケースについて、事例をご紹介します。

用紙代や出張旅費など、コストの大幅な削減に成功(アサヒグループホールディングス株式会社)

アサヒグループホールディングス株式会社では、役員会議のペーパーレス化を実施しました。従前では週一度開催する役員会議にペーパーレス役員会議システム「ConforMeeting/e」を導入したことで、各部門が毎週末に作成していた資料を事務局がまとめて参加者用に印刷、会議資料として配布していました。

環境保護やセキュリティ対策の一環としてこれまで作成していた会議資料のペーパーレス化に取り組み、コスト削減につながっています。毎週10~40ページの会議資料を30部印刷していた印刷コストと会議資料作成にかかる作業の削減により、事務局の負担も軽減されました。

ペーパーレス化によって会議資料の事前配布も可能になり、会議に集中できる環境作りにもつながった成功事例です。

(参考URL:https://jpn.nec.com/case/asahigroup-holdings/index.html)

カラー資料で視覚的にわかりやすい会議が実現(西松建設株式会社)

西松建設株式会社の事例は、社内会議で配布するコピー用紙削減のため、タブレットによるペーパーレス会議へと移行した成功例です。ペーパーレス化により、250万枚の会議資料を削減、コピー用紙代は10分の1まで減少して事務局の作業負担も軽減されています。

ペーパーレス会議システムを複数試したのち、タブレットのペアリング機能や高いセキュリティ機能を備えた「moreNOTE」を選択。OSにマルチ対応しているため、複数のOSを利用する社内環境でも利用できる利便性の高さから、ペーパーレス会議の開催が実現しました。

ユーザーインターフェイスが直感的でわかりやすく操作しやすいところや、インク代がかからないため画面上でカラー資料を存分に利用できる視認性の高さがペーパーレス会議の大きなメリットです。画面拡大などの切り替えも簡単にできるため、その使いやすさなどから会議の進行もスムーズに改善されています。

(参考URL:https://www.morenote.jp/archives/452/)

機能や価格を紹介!ペーパーレス会議に活用できるツール3選

ペーパーレス会議には、接続が安定しているツールやリモート会議にも対応できる通話機能が使えるツールなどが便利です。ペーパーレス会議を快適に行えるおすすめのツールをご紹介します。

無料でも使えるWeb会議システム「Zoom Meetings」

Zoomは、簡単に利用できるビデオミーティングシステムです。使用にかかる通信料が少なく接続が安定しているため、高品質の映像と音質を利用して最大1000人まで参加できるミーティングの開催が可能です。ペーパーレス会議の専用システムではありませんが、Office365との連携ができ会議システムに必要なさまざまな機能が使用できます。

会議資料をファイル共有システムで参加者に配布可能、画面上で資料共有でき、参加者は気がついたことを書き込みもできます。費用は「2,300円/1ライセンス(5ライセンス~)」無料でも利用できるので、無料版で試験導入してみるのもおすすめです。

リモートでの会議にも対応可能なペーパーレスシステム「moreNOTE」

moreNOTEは、現在4000社以上に利用されている操作しやすくセキュアなペーパーレスシステムです。対面でのペーパーレス会議、リモートでのオンライン会議などいろいろなシーンで会議を効率化、活性化させられます。

テレワーク中のオンライン会議でも、Web会議ツールと組み合わせてリモート会議の実施が可能。会議資料はフォルダー形式だけでなくカレンダー形式の見やすい表示方法で探すのも簡単です。「初期費用36,000円、ライセンス費用1,200円/ID、ディスク費用1,200円/GB」の費用がかかります。30日間無料お試し期間もあります。

ビデオ通話機能もついたペーパーレス会議システム「スマートセッション」

スマートセッションはタブレットやパソコンに対応しているハイブリットなペーパーレス会議システムです。直感的な画面で使いやすく、使いたい機能を自由にカスタマイズできるカスタマイズ性が魅力です。

Officeファイルを管理ツールに入れるだけでPDFに変換されて会議資料としてアップロードされるため、会議資料を簡単に準備できます。会議資料には手書きの個人メモと共同メモを書き込みでき、パソコンやタブレットなどあらゆるデバイスから管理画面を利用することも可能です。

費用は「サブスクリプション版(20ライセンス)30,000円~」、クラウド版やオンプレミス版は規模に合わせたシステムを導入できます。30日無料トライアルも実施しています。

まとめ

ペーパーレス会議とは、会議の参加者に紙の資料を配布することなく電子データを使用して資料を閲覧・共有して行う会議のことです。テレワークの拡大により、会社の会議室にいなくても参加できるリモート会議の必要性が高まり、営業資料の作成にかかるコストの削減や業務量の軽減、環境保護にもつながるなどのたくさんのメリットがあります。

自社の状況に合う機能が利用できるシステムを選択して導入することで、コスト削減や業務の効率化、会議の活性化にも役立てられます。