【生成AI】とは!?企業の利用実態や、メリット・デメリット、実際に使ってみた結果から企業活用事例まで

働き方

2022年11月にChatGPTがリリースされて以降、「生成AI」が注目を集めています。文書作成だけでなく、動画、画像、音声などを生成できるものも登場しています。中には、簡単な情報でキャッチコピーやプレスリリースが作成できるサービスも。しかし一方で、情報漏洩などの観点から、業務利用が控えられている実態もあります。今回は、生成AIが業務でどの程度使われているのか、アンケート結果を元にご紹介します。さらに、生成AIの「文書作成」「画像作成」「キャッチコピー作成」を、業務利用を想定して試してみました。併せて、業務利用のメリット・デメリットや、実際の企業での導入事例まで詳しくご紹介します。

生成AIとは

そもそも「生成AI」とは、既に学習されたデータから、新しく文章や画像などのコンテンツを生成できるAIのことを言います。「生成系AI」「ジェネレーティブAI」とも呼ばれます。「ChatGPT」に代表される文章生成AIや、画像、音楽、プログラム、動画などを生成できるものもあります。

▶︎「ChatGPT」について特集した記事はこちら

ChatGPTは何者か!?はじめ方や実際のチャット・活用リスクまで紹介 AI時代になくなる仕事とは

生成AIはどのくらい使われているのか

2022年11月にChatGPTがリリースされて以降、注目されてきた生成AIですが、実際に企業ではどの程度使われているのでしょうか?

NRI(野村総合研究所)が、日本のビジネスパーソン約2,400名を対象として実施したアンケート「AIの導入に関するアンケート調査(2023年5月)」を見てみましょう。

「ご自身の仕事における業務の中で生成AIのツール・アプリ・ソフトを使っていますか」という質問に対し、「業務で使用中」と回答した人は以下のようになりました。

◎全体…3%

◎製造業…4.5%

◎金融・保険…4.1%

◎IT・通信…3.9%

全体と、上位3つの業種を抜き出してご紹介していますが、まだまだ導入率の低さが目立ちます。全体で見ると「トライアル中(6.7%)」「使用を検討中(9.5%)」を合わせても、この時点で今後生成AIが導入される可能性がある職場は2割程度と、まだまだ普及しているとは言い難い状況にあることが分かります。

次に、「実際にどのような業務で使っていますか」という問いについては、

◎挨拶文などの原稿作成…49.3%

◎記事やシナリオの作成…43.8%

◎ドキュメントの要約…43.8%

◎問い合わせ対応…37.0%

◎マニュアルの作成/返信などの下書き…30.1%

が上位となっています。やはり、文書作成に活用されるケースが多いようです。

【出典】アンケート調査にみる「生成AI」のビジネス利用の実態と意向/NRI
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0613_1

生成AIをビジネス利用するメリット・デメリット

それでは、生成AIを業務に利用する際のメリット・デメリットについて整理しましょう。

メリット

◎思いつかないようなアイデアに出会える

◎スキルが無くても、簡単にコンテンツを生成できる

◎業務効率化に繋がる

まず、ChatGPTが保有しているのは2021年9月までの情報とされていましたが、2023年9月にChatGPTを開発したOpenAI社が「最新の情報を提供するために、インターネットの閲覧を開始した」と発表しました。その膨大な情報量から、人間では思いつかないようなアイデアを提供してくれます。

また、生成AIならビジネスメール、文書から社内規定、コピーライティングなど、そもそも担当者がスキルを持っていなくとも、簡単な情報を入力するだけで、たたき台に近いものを提示してくれます。最終的には、大幅な業務効率化に繋がり、人間は人間にしかできないコア業務に時間を割くことができるようになります。

デメリット

◎情報漏洩リスク

◎情報などの正確性に欠ける

デメリットは、やはり「情報」についてです。韓国のサムスン電子では、エンジニアが機密情報であるソースコードをChatGPTにアップしてしまい、情報が流出しました。それを受けて、サムスン社内では「生成AI」の使用禁止が通達されたそうです。

生成AIに社内の機密情報をアップすることは厳禁ですが、それをルールとして徹底しておかなければ、情報漏洩を招きかねません。情報漏洩は、会社の信用問題に関わり大きな損害を生みます。また、生成AIが提示する情報をすべて鵜呑みにするのは危険です。情報の出どころが分からないものも多く、正確な情報かどうかは人間が判断する必要があります。

生成AIを使ってみる

実際に、それぞれのChatGPTを社内で利用することを想定し、使ってみました。今回は、記事中で表現できる「文書」「キャッチコピー」「画像」に絞ってご紹介します。

他にも、「動画生成AI」や「音声生成AI」などもあり、例えば新たな商品やサービスのWeb用動画や、紹介サイト用の音声の作成など、多くのシーンで業務利用できます。ぜひ、活用してみてください。

※ご紹介する情報は、すべて2023年9月末時点のものです

文書作成(ChatGPT)

まず、ChatGPTで社内文書を作成します。総務部の立場で社内のChatGPT利用規約を作るために、要望を入力してみました。入力した内容は「総務部です。社員向けに、ChatGPTの利用に関する社内規定を作りたいと思います。素案を作ってください。」のみです。

すると、1分も経たない間に以下のような回答が得られました。ChatGPTの特性を理解した上で、理想的な素案になっているのではないでしょうか。ここに、自社独自の要素を盛り込めば、あっという間に社内規定が完成します。

回答は「第9条」まで続き、最後に「この素案をもとに、会社の要件や方針に合わせて社内規定を具体化し、社員に適切に通知しましょう。また、規定の変更や改訂がある場合には、適切にコミュニケーションをとることが重要です。」というアドバイスまでもらえました。

▶︎ChatGPT
https://chat.openai.com

画像作成(Leonardo.Ai)

次に、画像作成です。今回は、ビジネスメディア等でも注目されている「Leonardo.Ai」を利用します。

社内向けの取り組みを周知するための掲示物や、情報配信の際に使用する画像を生成してみます。例として、社内で1on1ミーティングのスタートを周知する、オリジナル画像の作成です。まず、「1on1 meeting」をどのように表現するのかに迷い「1:1 meeting」「meeting fortwo」などを試しましたが、複数人が一緒に会議しているようなイラストが表示されました。最終的に「Two-person meeting」で入力したところ、以下のような画像が提案されました。1on1の周知には十分なイラストですが、例えば人間の表情にもこだわるなど、希望する画像に近づけるためには、入力する情報を増やしつつトライ&エラーが必要のようです。

▶︎Leonardo.ai
https://leonardo.ai

キャッチコピー作成(Catchy)

マーケティングシーンで活躍するのが、キャッチコピー等を生成するAI「Catchy」です。これは日本企業がChatGPTを活用して開発したAIで、広告のコピーライティングから、マーケティングアイデア、情報発信のための記事作成、幅広いジャンルのメール作成までが可能です。

まずは、キャッチコピーを作成するために、元となる情報を入力します。今回は、以下のような文章を元に、架空のスタートアップ企業のキャッチコピーを作成します。

法人向けの業務効率化ツールの開発・販売を行うスタートアップ企業。特に中小企業の生産性をアップさせたいと考えて起業しました。あらゆるアナログ作業をデジタル化してくれる業務効率化ツール「Catchy」をリリースします。

文章の雰囲気を「丁寧」に設定し「作成する」ボタンを押せば、すぐに6種類のキャッチコピーが生成されました。これを元にブラッシュアップすれば、営業資料やホームページなどで使えるキャッチコピーの完成です。

また、同様の情報を元に、「プレスリリース」も作成してみました。

簡単な情報しか入力していないにも関わらず、ほぼ完成系のプレスリリースが生成されました。あとは、日時や連絡先などの細かい部分と機能などの情報を追記するだけで、すぐに発信ができてしまいます。

このツールは、日本語表記であるため、操作の際のストレスが無いという点も大きなメリットだと感じました。

▶︎Catchy/株式会社デジタルレシピ
https://lp.ai-copywriter.jp

生成AIの企業活用事例

生成AIが普及し始めてから時間が経っていませんが、大手企業をはじめとして実際に導入が進んでいる企業もあります。ここでは、業務で生成AIを活用している事例をいくつかご紹介します。

大和証券

大和証券株式会社では、2023年4月に社内にChatGPTを導入しました。マイクロソフト社の「Azure OpenAI Service」を活用し、情報が守られた環境で、全ての業務に利用されています。主に「英語などでの情報収集サポート」「企画書や文書、プログラミングの素案作成」「活用アイデアの創出」などの活用が期待されており、これによって業務効率化と、お客様と接する時間など本来業務の時間捻出を目指しています。

【参考】大和証券、対話型AIの「ChatGPT」を導入し全社員約9,000人を対象に利用を開始/日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP653467_Y3A410C2000000/

ベネッセ

教育大手ベネッセホールディングスでは、2023年4月よりほぼ全社員を対象として自社専用AI「BenesseChat」の提供を開始しました。情報漏洩を防ぐために「Azure OpenAI Service」を利用し構築された「社内AI」です。安全性を高めるために、利用履歴もモニタリングしているということです。同社では、4割の社員がほぼ毎日使っているそう。議事録の要約、メールの雛形作成、アンケート結果の分析など、多種多様な使い方で日々の業務効率化を実現しています。

【参考】「自社版ChatGPT」をグループ全社導入 約1万5000人で2カ月使った手応えは? ベネッセに聞いた/ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/19/news037.html

熊本市

最後は、自治体です。熊本市では、2023年6月からChatGPTの実証実験をスタートしています。職員の中から100人程度が参加しており、業務利用の課題の抽出や活用方法を議論し、ガイドラインをまとめます。想定している使い方は、挨拶文、文書要約、翻訳、データ収集、検索などです。同市では、ChatGPTより以前に市民からの問い合わせにAIを活用しており、昨年度は8万件、時間にして1,600時間の節約に成功しています。

【参考】ChatGPTの活用策は?熊本市が3カ月かけ実証実験6月から/朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASR5R730FR5RTLVB001.html

【おわりに】

いかがでしたか?自治体でも導入されるようになった生成AIですが、まだまだ企業での導入は進んでいないようです。しかし、今回業務利用を想定してさまざまな生成AIを使ってみたところ、ゼロから自分で作るよりも遥かに業務効率化に繋がると感じました。特に今回試したマーケティング支援ツールは、広報に割ける人員が少ない企業などでかなり有効なのではないでしょうか。
一方で、日本で開発されたものが少なく、日本語表示が少ないツールが多いことも実感。これは、操作する際のストレスを生むだけでなく、注意書きなどの意味が理解できず、その不安から業務利用を控えることの一因になっていると考えられます。今後、日本語対応が本格化すれば、もっと普及し生産性向上に貢献してくれるのではないかと思いました。

この記事を書いたひと

三神早耶(みかみさや)

大学卒業後、広告代理店に入社。企画営業と制作進行管理を兼務。その後、出版社でコンサルティング営業、国立大学でeラーニングツールの運営や広報サポートなどを担当し、2016年よりフリーライターに。経営者向けウェブメディア等で、経営者インタビュー、組織改革、DXなどについて取材・執筆。

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